解決事例(GK総合法律事務所)

遺産分割|40年以上放置された相続を11名の相続人との交渉・調停を経て解決した事例

2026年03月29日 22:56

遺産分割を40年以上放置した結果、相続人が11名にまで膨れ上がり、解決までに約1年7か月を要した事例です。

遠方の相続人、入院中で連絡が取りにくい相続人、話し合いを拒否する相続人——放置した年月の分だけ、関係者が増え、交渉の難度は跳ね上がりました。最終的に調停に代わる審判で決着しましたが、もっと早い段階で着手していれば、ここまで複雑にはならなかった案件です。

遺産分割を先送りにしている方は、東京・杉並区南阿佐ケ谷のGK総合法律事務所へ。早めのご相談が、問題の拡大を防ぎます。初回相談無料。

この記事で分かること

  • 依頼者:被相続人の孫(代襲相続人)、50代

  • 相手方:他の相続人10名(代襲相続人含む)

  • 争点の対象:都内の土地・建物(被相続人の持分)の遺産分割

  • 最大の争点:相続人が11名に拡大し、協議がまとまらない中でどのように遺産分割を実現するか

  • 解決結果:調停に代わる審判により、不動産の分割方法と代金分配の枠組みを確定

  • 解決期間:約1年7か月(受任から審判まで)

この記事を読むと、以下のことが分かります。

  • 遺産分割を長年放置するとどのような問題が起きるか

  • 相続人が多数に拡大した場合に弁護士がどう対応するか

  • 協議で合意できない場合の調停・審判の流れ

ご相談の背景

依頼者の祖父が40年以上前に亡くなりましたが、遺言書はなく、遺産分割がなされないまま長年が経過していました。

遺産は都内の土地と建物です。依頼者は兄弟とともに長年にわたり固定資産税を支払い、不動産を維持管理してきました。しかし、不動産の名義は祖父のまま。このままでは売却も活用もできません。

そして最大の問題は、40年の間に相続人が大幅に増えてしまっていたことです。祖父の子の世代が次々と亡くなり、孫やその子の世代にまで相続権が移っていました(代襲相続)。最終的に相続人は11名にのぼり、遠方に散らばっている状態でした。面識すらない相続人もいます。

依頼者は「自分の世代で決着をつけ、次の世代にこの問題を残したくない」という思いから、遺産分割を進めることを決意されました。当初は司法書士に依頼して相続人への連絡を試みましたが、一部の相続人から反応が得られず、弁護士への依頼に至りました。

遺産分割は、放置すればするほど難しくなります。心当たりのある方は、当事務所(GK総合法律事務所)へお早めにご相談ください。

弁護士の対応と解決のポイント

① 11名の相続人の確定と個別交渉

まず戸籍調査により確定した相続人11名全員に受任通知を発送し、相続の希望の有無を確認しました。しかし、遠方で直接の連絡が難しい方、入院中で体調が安定しない方、そもそも手続きへの協力を拒否する方など、相続人ごとに異なる事情がありました。

相続を希望しない相続人に対しては、相続分の譲渡手続きを提案するなど、できるだけスムーズに合意形成が進むよう個別に対応しました。

② 協議段階での分割提案

相続人への連絡と並行して、遺産分割の具体案を作成し、相続希望者に提案しました。

不動産の評価額から、依頼者側が長年負担してきた固定資産税の累計額や専門家費用を控除した残額をもとに、各相続人の法定相続分に応じた金額を算定しました。

一部の相続人からは合意を得ることができましたが、全員の足並みが揃わず、最終的に協議での解決は困難と判断しました。

③ 調停申立てと調停に代わる審判

協議での解決を断念し、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。

調停手続の中で、相続を希望しない6名の相続人が相続分を他の相続人に譲渡し、調停の相手方を減らすことができました。最終的に裁判所が「調停に代わる審判」(家事事件手続法284条)を行い、不動産の分割方法と各相続人への代金分配の割合を確定させる内容で決着しました。

40年以上にわたり手つかずだった遺産分割に、法的な枠組みによる決着がついた形です。

解決の結果

  • 解決方法:調停に代わる審判(家事事件手続法284条)

  • 解決内容:不動産の分割方法と各相続人への代金分配割合を確定

  • 解決期間:約1年7か月(受任から審判まで)

担当弁護士からのコメント

率直に申し上げます。本件は、遺産分割を放置するとどうなるかを示す典型例です。

被相続人が亡くなったのは40年以上前。その間に相続人の何人かが亡くなり、代襲相続で孫やその子の世代にまで相続権が広がっていました。最終的に相続人は11名。面識のない方、遠方の方、入院中の方、手続きに協力する気のない方——全員と話をつけなければならない状況でした。

受任から審判まで約1年7か月。戸籍の収集だけでも膨大な量でしたし、11名一人ひとりに連絡を取り、事情を説明し、意向を確認する作業は地道で時間がかかるものでした。

これが5年後、10年後だったらどうなっていたか。相続人はさらに増え、20名、30名になっていたかもしれません。そうなれば解決のハードルはもっと上がり、期間も費用もさらにかかります。

本件の依頼者は「自分の世代で終わらせる」と腹を括って動かれました。その判断は正しかったと思います。

遺産分割で同じような状況にある方——放置している期間が長いほど、解決は難しくなります。「何十年も前の相続なんて、今さらどうにもならないのでは」と思われるかもしれませんが、今からでも法的に進めることは可能です。

なお、令和6年4月から相続登記が義務化されました。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をしなければ、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象となります。過去の相続についても適用されますので、遺産分割が未了のまま不動産の名義が被相続人のままになっている方は、早めの対応が必要です。

問題を次の世代に持ち越す前に、まずご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 遺産分割を何十年も放置してしまいました。今からでも分割できますか?

A. はい、可能です。ただし、放置している間に相続人が亡くなると代襲相続が発生し、相続人の数が増えていきます。相続人が増えるほど全員の合意を得ることが難しくなるため、できるだけ早めに着手されることをお勧めします。


Q. 相続人の中に連絡が取れない人や、話し合いに応じない人がいます。遺産分割はどう進めればいいですか?

A. 相続人全員の合意が得られない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停でも合意に至らない場合は、裁判所が審判で分割方法を決定する場合があります。本件のように、一部の相続人が手続きに消極的であっても、調停・審判の手続きを通じて法的な解決を図ることが可能です。弁護士が代理人として各相続人への連絡や書類の作成を行いますので、依頼者の方が直接交渉する負担は軽減されます。

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遺産分割を何年も、何十年も先送りにしてしまっている方。相続人が増えて収拾がつかなくなる前に、ご相談ください。

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弁護士 小澤亜季子(東京弁護士会所属)