解決事例(GK総合法律事務所)

自己破産|ギャンブルによる免責不許可事由がある中で裁量免責が認められた事例

2026年03月29日 22:55

ギャンブル(パチンコ)による免責不許可事由がある中で、裁量免責が認められた自己破産の事例です。

管財事件として誠実に手続を進め、裁判所の信頼を得て免責許可を獲得しました。コロナ後遺症による収入減も重なり返済が困難になった状況から、債務の全額免除による再出発を実現しています。

自己破産のご相談は、東京・杉並区南阿佐ケ谷のGK総合法律事務所へ。免責不許可事由がある方もまずはご相談ください。初回相談無料。

この記事で分かること

  • 依頼者:フリーランス(40代男性)

  • 相手方:複数の貸金業者・信販会社・個人債権者

  • 争点の対象:複数社からの借入金の返済不能

  • 最大の争点:ギャンブルによる免責不許可事由がある中で、免責許可を得られるか

  • 解決結果:破産手続開始決定+免責許可決定(裁量免責)

  • 解決期間:受任から免責許可まで約1年10か月(内訳:申立準備に約1年2か月+破産手続に約7か月)

  • ギャンブルが原因の借金でも自己破産はできるのか

  • 「免責不許可事由」があっても免責が認められる「裁量免責」とは何か

  • フリーランス・自営業者が破産を申し立てるとき、どのような手続になるのか

ご相談の背景

依頼者は、若いころから芸術分野のフリーランスとして活動していた方でした。

長年にわたり活動を続けていましたが、フリーランスの収入は不安定であり、活動に必要な経費や生活費を補うため、消費者金融やクレジットカードからの借入を始めました。また、この頃からギャンブル(パチンコ)にも支出するようになり、借入額は次第に膨らんでいきました。

一時期は別の仕事と掛け持ちして返済を続けていましたが、その仕事を辞めた後は、返済のために新たに借りる自転車操業の状態に陥りました。

さらに、新型コロナウイルスの流行により、本業の活動が大幅に制限されました。依頼者自身もコロナ後遺症に悩まされ、就労が困難な状態が続きました。収入が途絶える中、家族や知人からの援助で生活を維持してきましたが、債権者からの督促が激化し、これ以上の返済は不可能と判断して、当事務所にご相談いただきました。

借金の返済にお困りの方は、東京都杉並区・南阿佐ケ谷のGK総合法律事務所へお早めにご相談ください。

弁護士の対応と解決のポイント

① 受任通知の送付と債務調査

ご依頼を受け、全債権者に受任通知を送付しました。これにより督促が停止し、依頼者は精神的な負担から解放されました。

各債権者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づく引き直し計算を行いました。その結果、一部の債権者との取引で過払金(払いすぎた利息)が発生していることが判明し、回収手続を進めました。回収した過払金は、破産申立の費用に充当しました。

② 任意整理ではなく自己破産を選択した理由

本件では、依頼者がフリーランスで収入が不安定であること、コロナ後遺症で就労が困難な状態にあること、債務総額に対して返済原資の確保が見込めないことから、任意整理(債権者との交渉で返済条件を見直す方法)ではなく、自己破産を選択しました。

依頼者にはギャンブルへの支出歴があり、これは破産法上の免責不許可事由(破産法252条1項4号)に該当する可能性がありました。しかし、免責不許可事由があっても裁判所が諸般の事情を考慮して免責を許可する「裁量免責」の制度があります。依頼者にこのリスクと見通しを率直に説明し、破産申立の方針で合意しました。

③ 破産申立の準備と特殊な財産の処理

本件では、依頼者がフリーランスとしての活動を通じて保有していた著作権や業務用機材が、通常の破産事件にはない特殊な財産でした。

これらの財産について、破産管財人(裁判所が選任する財産管理者)と協議し、適切な評価と処理方法を検討しました。機材については買取業者の見積りを取得して客観的な評価額を算出し、管財人と交渉。最終的に、依頼者が相当額を破産財団に組み入れる(支払う)ことで、著作権と機材を手元に残すことができました。

フリーランスにとって、自身の著作物や業務用機材は経済的再生に不可欠な資産です。これらを散逸させることなく手元に残せたことは、依頼者の今後の生活再建にとって大きな意味がありました。

④ 免責不許可事由への対応と裁量免責の獲得

破産管財人に対して、依頼者がギャンブルに至った経緯、現在はギャンブルを完全にやめていること、破産手続に誠実に協力していること、経済的再生への意欲があることを丁寧に報告しました。

依頼者自身も、ギャンブルを一切行わない旨の誓約書を作成・提出し、更生への強い意思を示しました。

これらの対応が評価され、裁判所は裁量免責を認め、免責許可決定が出されました。

解決の結果

  • 解決方法:自己破産(管財事件)

  • 解決内容:破産手続開始決定+免責許可決定。ギャンブルによる免責不許可事由があったが、裁量免責が認められた

  • 特記事項:著作権・業務用機材は相当額を破産財団に組み入れることで依頼者の手元に残すことができた。一部債権者との取引で過払金を回収し、申立費用に充当

  • 解決期間:受任から免責許可まで約1年10か月(内訳:申立準備に約1年2か月+破産手続に約7か月)


受任から申立までに時間を要したのは、管財事件に必要な予納金(裁判所に納める費用)を分割で積み立てていたためです。また、破産手続開始後も、管財人と一部の債権者との間で交渉が必要となり、その交渉に時間がかかったため、債権者集会が複数回にわたって続行されました。手続自体は一貫して円滑に進んでおり、全ての処理が完了した段階で免責許可決定が出されました。

担当弁護士からのコメント

本件の最大のポイントは、ギャンブルという免責不許可事由がある中で、いかに裁量免責を獲得するかでした。

「ギャンブルが原因の借金は破産しても免責されない」——このように思い込んで相談をためらう方は少なくありません。しかし、実務上は、免責不許可事由があっても裁量免責が認められるケースは珍しくありません。大切なのは、過去の行為を正直に申告し、現在は生活態度を改善していること、そして破産手続に誠実に向き合っていることを裁判所と破産管財人に伝えることです。

また、フリーランスの方は、著作権や業務用機材など一般的な破産事件では見られない特殊な財産を保有していることがあります。本件では、管財人との交渉により、これらの財産を依頼者の手元に残すことができました。「破産すると全てを失う」というイメージをお持ちの方も多いですが、適切に手続を進めれば、再出発に必要な財産を守れるケースもあります。

借金問題でお悩みの方は、ギャンブルが原因であっても、まずは弁護士にご相談ください。状況に応じた最善の解決方法をご一緒に考えます。

よくある質問(FAQ)

Q. ギャンブルが原因の借金でも自己破産できますか?

A. 自己破産の申立自体はギャンブルが原因であっても可能です。ただし、ギャンブルによる浪費は破産法上の「免責不許可事由」に該当するため、当然には免責(借金の免除)が認められません。しかし、裁判所が諸般の事情を考慮して免責を認める「裁量免責」という制度があり、実務上は裁量免責が認められるケースも多くあります。弁護士と相談の上、見通しを立てることが重要です。

Q. フリーランス・自営業者の破産は会社員の場合と何が違いますか?

A. フリーランスや自営業者の場合、管財事件(破産管財人が選任される手続)になることが一般的です。会社員の場合は比較的簡易な同時廃止(破産管財人が選任されない手続)で処理されることが多いですが、自営業者は事業に関連する財産や取引関係の調査が必要になるためです。管財事件では手続にやや時間がかかりますが、最終的な免責許可の効果は同じです。

Q. 自己破産の費用はどのくらいかかりますか?

A. 費用は事案の内容(同時廃止か管財事件か)によって異なります。管財事件の場合、裁判所に納める管財予納金が必要になるため、同時廃止より費用は高くなります。当事務所では、過払金の回収や分割払いなど、費用負担を軽減する方法もご案内しております。まずは初回相談で費用の見通しをご説明いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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ギャンブルが原因の借金、フリーランスで収入が不安定な中での債務問題など、「自分の場合は破産できないのでは」とお悩みの方もまずはご相談ください。

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弁護士 小澤亜季子(東京弁護士会所属)