解決事例(GK総合法律事務所)

自己破産|副業で音楽活動をする30代会社員が楽器を残し約630万円の借金を整理した事例

2026年05月15日 18:07

会社にお勤めの傍ら、副業として音楽活動・音楽レッスンを続けてこられた30代のご依頼者様。長年にわたる複数のお借入れが重なり、総額約630万円の多重債務状態となっておられました。当事務所が自己破産の申立てを行い、申立てから約2か月半で免責許可決定を得て、保有しておられた楽器・音響機材を手元に残したまま生活再建を実現した事例です。


会社員として副業を続ける方や、フリーランス・個人事業主の方が「仕事道具を残したまま破産できるのか」を心配されている場合に、弁護士がどのように対応したかをご紹介します。


以下に1つでも当てはまる方は、本事例が参考になるかもしれません。

  • ✓ 会社員や個人事業主として働きながら、複数の借金の返済に行き詰まっている

  • ✓ 楽器・PC・工具など「仕事に欠かせない道具」を手放さずに債務整理ができるか心配

  • ✓ 複数の借入れが重なって、自力での返済の見通しが立たない

この記事で分かること

  • 依頼者:会社にお勤めの傍ら、副業として音楽活動・音楽レッスンを続けてこられた30代の方

  • 相手方:複数の金融機関等

  • 争点の対象:総額約630万円の多重債務

  • 最大の争点:仕事道具である楽器・音響機材を手元に残したまま、破産手続を進められるか

  • 解決結果:管財事件として申立て、破産管財人による調査の結果、換価すべき財産がないとして異時廃止により破産手続が終結し、免責許可決定が得られた

  • 解決期間:自己破産の申立てから約2か月半(ご依頼から約9か月)


依頼前の状態:長年にわたる複数のお借入れの返済原資が圧迫され、月々の収入では返済を組み立て直すことが難しい状況となっていた。「事業を続けるための仕事道具(楽器・音響機材)は手放したくない」というお気持ちと、破産手続への漠然とした不安があった。


解決後の状態:約630万円の債務が法律上消滅し、保有していた楽器・音響機材も手元に残ったまま、破産手続を完了。手続中に必要となった住居の変更も並行して対応し、現在は再建した生活の中で、お仕事と副業の音楽レッスンを続けておられる。

ご相談の背景

ご依頼者様は若い時期から、生活費を補填するため複数の金融機関からの借入れを始められました。20代半ば頃から音楽活動を本格化させると、楽器・音響機材の購入費用やレコーディング費用などが増大し、それらを賄うためにさらに借入れを重ねるようになりました。

その後、会社にお勤めしながら、副業として音楽レッスンの活動も継続されてきましたが、過去の借入れの返済に追われる状況は変わりませんでした。加えて、学生時代に借りていた奨学金の返済の延滞も生じていました。

ある時期から返済が滞り始め、債務の状況を改めて確認したところ、すでに自力では分割による返済の組み立て直しも難しい状態にあることが明らかになりました。この段階で当事務所にご相談・ご依頼をいただきました。


複数のお借入れの返済に行き詰まっている方は、東京都杉並区・南阿佐ケ谷のGK総合法律事務所へお早めにご相談ください。

弁護士の対応と解決のポイント

①受任通知の発送による督促の停止

ご相談・ご依頼後、まず受任通知(弁護士が債務整理を受任した旨を債権者に通知する書面)を、判明している全ての債権者に対して発送しました。これにより、ご依頼者様への直接の取立てや督促電話は停止されます。

本件のご依頼者様は、10社以上の債権者から、種類の異なる借入れ(カードローン・奨学金・公的な貸付など)について督促を受けておられました。督促が日常的に届く状況は、本業のお仕事や副業の音楽レッスンに集中することを難しくし、大きな精神的負担となります。

受任通知の発送によりこれらの督促が止まり、ご依頼者様は本業のお勤めと副業の音楽レッスンを続けながら、破産申立てに向けた書類の準備に落ち着いて取り組んでいただける状態となりました。

②破産管財人との楽器・音響機材の取扱いに関する協議

破産申立て後、破産管財人(裁判所が選任する弁護士で、破産者の財産を調査・換価し、債権者への配当等を行う立場)からの指示により、保有しておられる楽器・音響機材について保有物件報告書を作成し、管財人に提出しました。あわせて、副業として行っておられる音楽レッスンの状況についても整理して提出しました。

その後、管財人による換価可否の検討が行われ、結果として、保有していた楽器・音響機材は換価の対象とはならず、ご依頼者様の手元に残ったままとなりました。これにより、ご依頼者様は副業として続けてきた音楽レッスンを中断することなく、生活再建の手段を維持していただくことができました。

③破産手続中の住居変更への並行対応

破産手続の途中で、ご依頼者様のご事情により、引越しを検討されることになりました。ご依頼者様にとって、引越し先は単にお住まいを変えるだけの場所ではなく、副業として続けてきた音楽レッスンを継続できる物件である必要がありました。

破産手続中に住所を変更する場合には、原則として破産管財人の同意と裁判所への届出が必要となります(破産法37条1項参照)。担当弁護士は、ご依頼者様が検討されている新居が、音楽レッスンの継続が可能な物件であり、お仕事による収入の安定にも資することなどを整理し、管財人にご説明しました。

管財人からは「管財業務への支障はない」として引越しの同意が得られ、引越し完了後、住居変更届を裁判所に提出しました。一連の手続を担当弁護士が窓口になって進めたため、ご依頼者様は手続上の混乱を起こすことなく、新生活の準備と破産手続を並行して進めていただくことができました。

解決の結果

  • 破産管財人による調査の結果、換価すべき財産がないとして、異時廃止(破産法217条1項。破産財団が破産手続費用を償うのに不足することが判明した場合に、配当を行わずに破産手続を終了させる手続)により破産手続が終結

  • 自己破産の申立てから約2か月半で免責許可決定

  • 630万円の債務が法律上消滅

  • 保有していた楽器・音響機材は手元に残ったまま、生活再建に支障なく、副業の音楽レッスンも継続中

担当弁護士からのコメント

ご依頼者様にとって、破産手続の中で抱えておられた不安は、大きく分けて3つあったと感じています。

一つ目は、「大切に集めてきた楽器を、取られてしまうかもしれない」という不安。副業で生計の一部を支えている音楽レッスンは、楽器・音響機材がなければ続けられません。

二つ目は、「破産手続中に、音楽レッスンを続けられる物件に引越せるのか」という不安。引越し先は、ただ住める場所であればよいのではなく、楽器の演奏やレッスンが可能な環境である必要があり、物件選びの条件は通常の引越しより限定されます。

そして、三つ目は、「そもそも破産の手続中に引越しなんてしてよいのか、何か特別な許可が必要なのではないか」という不安。実際、破産手続中に住所を変更する場合には、破産管財人の同意と裁判所への届出が必要となります。

本件では、ご依頼者様のこれらのご不安を一つひとつ丁寧に確認したうえで、管財人にも事前に状況をご説明し、必要な手続を踏みながら進めることができました。

「破産すると仕事道具まで全て手放さないといけないのではないか」「破産手続中に引越しなんてできるのか」というご心配は、フリーランス・個人事業主・副業をお持ちの方からよくいただくご質問です。多くの場合は、適切な手続を踏めば、お仕事や副業を続けながら生活再建を図ることが可能です。

借金の返済に行き詰まり、「事業や副業をたたんで全てを手放すしかないのか」とお悩みの方は、まずは一度、弁護士にご相談ください。ご事情をお伺いした上で、その方にとって最適な選択肢をご提案いたします。

よくある質問(FAQ)

Q. 仕事に使う道具(楽器・PC・工具など)は、自己破産で必ず取り上げられてしまいますか?

A. いいえ、必ずしも取り上げられるわけではありません。業務に欠かせない道具については、民事執行法上の差押禁止財産に該当する場合があるほか、市場価値や換価の費用対効果なども踏まえて、結果として手元に残せるケースがあります。本件でも、保有しておられた楽器・音響機材は、破産管財人による調査の結果、換価の対象とはなりませんでした。ただし、具体的な取扱いは、機材の種類・金額・業務との関連性・他の財産との合算などを踏まえて個別に判断されますので、保有財産の内容を踏まえた事前のご相談が重要です。


Q. 破産手続の途中で引越しをしたいのですが、可能でしょうか?

A. はい、可能です。ただし、破産手続中に住所を変更する場合には、原則として破産管財人の同意を得たうえで、裁判所への届出が必要となります。本件でも、ご依頼者様のご事情で必要となった引越しについて、担当弁護士が新居の物件情報・継続される業務の状況などを整理し、管財人にご説明したうえで同意を得て、裁判所に届出を行いました。「引越しをしたいから破産はできない」と諦める前に、まずは弁護士にご相談ください。


Q. 弁護士に依頼してから免責許可決定までは、どれくらいの期間がかかりますか?

A. ケースによって大きく異なりますが、ご依頼から自己破産の申立てまでに数か月、申立てから免責許可決定まで、管財事件で半年から1年程度というのが一般的な目安です。本件は、管財事件としては比較的短い、申立てから約2か月半で免責許可決定に至った事例です。ただし、債権者数・財産の内容・債務の発生原因などによって期間は変わりますので、個別の見通しはご相談の際にお伝えします。

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「副業や個人事業を続けながら借金の整理をしたい」「仕事道具を手放さずに生活再建したい」とお悩みの方は、決してお一人で抱え込まないでください。

GK総合法律事務所は東京都杉並区南阿佐ケ谷にあり、これまで個人・法人を問わず、数多くの破産・債務整理の事件を解決に導いてまいりました。杉並区・中野区・練馬区をはじめ、東京都内全域からご相談をお受けしています。

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弁護士 小澤亜季子(東京弁護士会所属)