解決事例(GK総合法律事務所)

法人破産|飲食店経営の法人と代表者の同時破産申立で約5000万円の債務を整理した事例

2026年03月29日 21:45

飲食店経営の法人と代表者の同時破産申立で約5,000万円の債務を整理した事例です。

予納金の積立計画から申立書類の作成、管財人との協議、免責許可まで弁護士が全工程をサポートしました。解決までに時間を要した背景(予納金積立・管財人による過払金調査)も含めてご紹介します。

法人破産のご相談は、東京・杉並区南阿佐ケ谷のGK総合法律事務所へ。法人破産40万円~。初回相談無料です。


この記事で分かること

  • 依頼者:飲食店を経営する法人の代表者

  • 相手方:金融機関・取引先等の債権者(法人・個人合わせて複数名)

  • 争点の対象:法人の債務約5,000万円、代表者個人の保証債務約1,000万円

  • 最大の争点:事業停止から破産申立までの手続きを迅速かつ適切に進めること

  • 解決結果:法人・代表者個人の同時破産申立が受理され、代表者は免責許可を得て経済的再出発を実現

  • 期間:受任から申立まで約3か月

  • 外部環境の変化で売上が急落したとき、経営者はどのタイミングで弁護士に相談すべきか

  • 法人と代表者個人の「同時破産申立」とは何か、なぜ必要になるのか

  • 事業停止から破産申立までに弁護士が具体的に何をしてくれるのか


ご相談の背景

依頼者は、都内で飲食店を経営する法人の代表者でした。

開業当初は、近隣の公共施設を利用する人々を主な顧客として安定した売上がありました。しかし、公共施設の業務効率化が進んだことで来客数が徐々に減少。さらに施設の大規模改修に伴い、周辺の人の流れが大きく変わったことで、売上は最盛期の3分の2程度にまで落ち込みました。

代表者はメニューの見直しや販促活動などで売上回復を図りましたが、状況は改善せず、賃貸借契約の更新費用を捻出する見通しも立たなくなりました。

収入の減少を補うために別の飲食店を個人で開業しましたが、そちらも軌道に乗らず赤字が続きました。

金融機関からの借入返済も滞りがちとなり、このまま事業を続けても債務が膨らむ一方だと判断し、当事務所にご相談・ご依頼いただきました。


会社の資金繰りや事業の継続にお悩みの方は、東京都杉並区・南阿佐ケ谷のGK総合法律事務所へお早めにご相談ください。


弁護士の対応と解決のポイント

① 債権者への受任通知の発送と事業停止の段取り

受任後、まず全ての債権者に対して弁護士が代理人に就任した旨の通知(受任通知)を発送しました。これにより、債権者からの直接の連絡や督促が止まり、依頼者が落ち着いて次のステップを考えられる環境を整えました。

並行して、店舗の閉店手続き(従業員への説明と解雇手続き、賃貸物件の明渡し、リース物件の返却など)を進めました。

② 法人・個人それぞれの財産と負債の調査・整理

法人と代表者個人の財産・負債を網羅的に調査しました。

中小企業の破産では、法人と代表者個人の財産が混同しているケースが少なくありません。本件でも、代表者が法人の借入の保証人(連帯保証人)になっていたため、法人が破産すると代表者個人にも保証債務の請求が及ぶ構造でした。

そのため、法人と代表者個人の破産を同時に申し立てる方針としました。同時申立にすることで、裁判所や破産管財人(裁判所から選任される財産の管理・処分を行う弁護士)が法人・個人の関係を一体的に把握でき、手続きが円滑に進みます。

③ 申立書類の作成と破産申立

法人・個人それぞれについて、報告書・債権者一覧表・資産目録などの申立書類を作成しました。

破産申立では、裁判所に対して「なぜ破産に至ったか」「財産の状況はどうなっているか」を正確に報告する必要があります。本件では、外部環境の変化による売上低迷という経緯を時系列で整理し、免責不許可事由(ギャンブルや浪費など、免責が認められなくなる事情)に該当しないことを明確にしました。

受任から約3か月で破産申立を完了しました。


解決の結果

  • 解決方法:法人(破産手続開始決定 → 破産手続の終結)、代表者個人(破産手続開始決定 → 免責許可決定)

  • 法人の負債:約5,000万円 → 破産手続により法人格消滅とともに債務が消滅

  • 個人の負債:約1,000万円(主に法人債務の保証分)→ 免責許可により返済義務が免除

  • 免責不許可事由:なし(純粋な事業失敗による破産であり、ギャンブルや浪費等の問題はなかった)

  • 期間:受任から破産申立まで約3か月


担当弁護士からのコメント

本件は、外部環境の変化により事業が立ち行かなくなったケースです。代表者ご本人は売上回復のためにさまざまな努力をされていましたが、立地に依存するビジネスモデルでは、周辺環境の変化という自力では対処しきれない要因に直面することがあります。

経営者の方にとって、自ら立ち上げた事業の破産を決断することは容易ではありません。しかし、債務の返済が困難な状況で事業を続けると、負債がさらに膨らみ、再出発がより難しくなります。

本件では、早い段階でご相談いただいたことで、事業停止から申立までの手続きを比較的スムーズに進めることができました。代表者は免責許可を得て、経済的な再出発の道が開けています。

事業の資金繰りが厳しくなったとき、「まだ何とかなるかもしれない」と一人で抱え込む方は少なくありません。法人と代表者個人の債務を一体的に整理する方法や、再出発に向けた選択肢を知るためにも、ぜひ一度ご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 法人と代表者個人の「同時破産申立」とは何ですか?

A. 法人の破産と、その代表者個人の破産を同じタイミングで裁判所に申し立てることです。中小企業では代表者が法人の借入の連帯保証人になっていることが多く、法人が破産すると保証債務が代表者個人に請求されます。同時に申し立てることで、裁判所や破産管財人が法人・個人の関係を一体的に把握でき、手続きが効率的に進みます。


Q. 会社が破産したら従業員はどうなりますか?

A. 破産に伴い従業員は解雇となりますが、労働基準法に基づく手続き(解雇予告または解雇予告手当の支払い)が必要です。また、未払いの給与や退職金がある場合、独立行政法人労働者健康安全機構の「未払賃金立替払制度」により、一定額が立て替えて支払われる場合があります。弁護士が代理人として手続きを進める中で、従業員への対応も含めてサポートいたします。


Q. 法人破産の弁護士費用はどのくらいかかりますか?

A. 法人の規模や債権者数、事案の複雑さによって異なりますが、弁護士費用(着手金)のほか、裁判所への予納金(破産管財人の報酬等に充てられるもの)が必要です。予納金は事案により異なります。費用の見通しは初回相談時にご説明いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


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弁護士 小澤亜季子(東京弁護士会所属)